コンサル業界に興味はあるけれど、自分が向いているか不安に感じる方はいると思います。
私自身、転職前はコンサルとしてやっていけるか不安でした。
実際に転職して5年以上が経ちますが、しんどいことは多かったものの楽しく仕事ができているので、この仕事は向いていたんだと思っています。
一方で、コンサルが向いていなくて入社後数か月で退職してしまう人がいるのも事実です。
そこで本記事では、これまでの経験を基にコンサルに向いている人・向いていない人がどういった人なのか紹介します。
なお、後天的に身に着けられる能力・スキル面は抜きにして、性格や価値観の観点で考えています。
コンサルに向いている人の特徴
まず、コンサルに向いているのは以下のような人だと感じています。
①飽きやすい人
②知的好奇心が旺盛な人
③目標を達成して成長することがモチベーションになる人
④やりたいことが明確ではない人
①飽きやすい人
飽きやすい人が向いていると思う理由は、コンサルが変化の多い仕事だからです。
コンサルは数か月~1年程度の期間のプロジェクト単位で仕事をすることになります。
プロジェクトが変わると以下のような変化が生まれます。
数か月単位でプロジェクトが変われば、年に数回はこのような大きな環境の変化を経験します。
プロジェクトで日々行う作業内容に関しても、定義されたスケジュールに則って変わっていきます。
これほど変化の多い環境は、事業会社ではなかなかないと思います。
私は飽きやすい性格なので、変わり映えしない単調な業務を繰り返すような前職の環境がとても退屈でした。
人事異動まで最低でも数年間は同じ業務を続けなければいけない点も、自分に合っていないと感じていました。
現職に同じような不満がある方は、変化の多いコンサルの仕事がフィットすると思います。
②知的好奇心が旺盛な人
①でも述べたように、コンサルはプロジェクトが変わる度に新しい業界・テーマについて学んでいく必要があります。
私はこれまでの5年間の中で以下の業界・テーマの仕事をしてきました。
プロジェクトが変わる度、ネットでリサーチをしたり本を読んで基礎知識をインプットする必要がありますが、自分の知らない業界やテーマの知識を学ぶことは楽しいと感じます。
プロジェクトでは頻繁にクライアントと議論をするので、クライアントの業界や業務に関する最低限の知識を持っていなければ対等に会話することもままなりません。
知的好奇心を持って常に学習することは必須の姿勢であり、これを苦なくできる人はコンサルの仕事が楽しいと思えるはずです。
③目標を達成して成長することがモチベーションになる人
これまでの人生を振り返り、強く喜びを感じた経験を思い返してください。
部活動や勉強等で目標を達成できた瞬間が思い浮かぶ人はコンサルが向いていると思います。
コンサルの仕事は、こんな特徴があります。
コンサルのプロジェクトは期間が短いのでPDCAを早く回すことができ、成長を実感しやすいです。
私の場合、若手のころは日々の業務に関する小さなことから、プロジェクトの希望や昇進まで多くの目標を立てていました。目標を達成し、少しずつ成長を実感できたことがモチベーションになってきました。
裁量に関しては、若手から大きいと感じます。
コンサルタントクラスになれば自分が作った資料がそのままクライアントの役員クラスの目に入ることはよくありましたし、上場企業の役員クラスと議論をする機会もありました。
これほど若手の裁量が大きい仕事は、コンサル以外だとそう多くはないのではないでしょうか。
チャレンジングな環境をモチベーションに変えていける人にはコンサルが向いていると感じます。
④やりたいことが明確ではない人
「明確にやりたいことがないけど、とりあえずコンサルに転職してみよう」
というのは私はアリだと思っています。
20代、30代の社会人でそもそも、「今の仕事がまさに自分の天職だ」という思いをもって働いている人は、そう多くはないのではないでしょうか?
何がやりたいのかイマイチわからない・しっくりきていない人が、とりあえずコンサルで働くメリットをまとめてみます。
プロジェクトの期間はPMOのような長期プロジェクトを除けば、だいたい数か月から1年位です。
事業会社に比べて短いサイクルで新しい業務に挑戦できるので、専門性を深めていきたいテーマを探すにはうってつけの環境といえます。
トレンドに関しては、私が入社した2018年ごろはDXがホットなアジェンダでしたが、ここ最近ではデータ分析、AI、サステナビリティ等新しいビジネスイシューに関連する案件が増えてきているように感じます。
一早く最新テーマの実務経験を積めることは大きなメリットになると考えています。
コンサルで業務経験があるというだけで市場価値が上がる点もメリットだと思います。
コンサル経験者のスキルを欲している企業はたくさん存在していますし、コンサルに在籍しているほとんどの人は前職より給与水準が上がっているはずです。
実際に私も給与水準が上がりましたし、転職サイト経由で大手企業からスカウトを貰うようになりました。
コンサルに向いていない人の特徴
次に、コンサルに向いていないのは以下のような人だと思います。
①成長意欲が弱い人
②安定を望む人
③目に見える成果を求める人
④クライアントに貢献し、感謝されたいと感じる人
①成長意欲が弱い人
何かしらの目標を常に持ち、向上心を持っていないとコンサルで働くことが息苦しいと感じます。
なぜなら、
- 周囲がモチベーションが高くて優秀な人材が多いため、どんどん差がついていく
- 成果が出ないと社内の評判が下がり、筋のいいプロジェクトを経験できなくなる
- 成長しないと上司から詰められてしんどくなる
からです。
②安定を望む人
「プレッシャーが少ない環境でまったりと仕事をしたい。」
「残業は一切せず、毎日決まった時間に帰宅したい。」
このように安定した環境を望む人にはコンサルはおススメできません。
コンサルの勤務時間は、変動幅が大きいです。
プロジェクトによってもプロジェクトのフェーズによっても変化するのでムラが大きいです。
特に週次の定例会議や、中間・最終報告等のマイルストーンの山場の前は深夜まで残業することもしばしばです。
また、コンサルの仕事は、様々なプレッシャーがかかります。
プレゼンのプレッシャー、納期のプレッシャー、高い期待値に対するプレッシャー・・・
ワークライフバランスを何よりも重視していきたい人にはおススメできません。
③目に見える成果を求める人
コンサルの仕事は成果を実感しづらいと思うときがあります。
例えば、こんな時に成果を感じづらいと思いました。
コンサルが第三者的な立ち位置でクライアントを支援するという特性上仕方のないことだとは思いますが、自分の仕事が社会にどのように役に立っているのかわからないと思うことは多々あります。
自分の仕事の成果を目に見えるような形で実感したい人には、事業会社でビジネスをドライブしていく方が間違いなく良いと言えます。
④クライアントに貢献し、感謝されたいと感じる人
仕事を通じてクライアントと信頼関係を築き、感謝されるような体験はコンサルだとなかなか実現しづらいと思います。
クライアントの課題解決をする仕事だから、一見感謝されやすいように思うかもしれません。
転職の志望動機として考えている方もいるかと思います。
しかし実際は、以下の点を理解しておいた方が良いと思います。
- プロジェクト期間が短いため、クライアントとの深い信頼関係の醸成は難しい(PMO等の長期プロジェクトは除く)
- コンサルに対するクライアントの期待値が高いため、成果を出して当然という雰囲気がある
貢献や感謝といったキーワードのプライオリティが高い人にとって、コンサルの仕事は向いていないのではないかと思います。
最後に
改めてコンサルに向いている人・向いていない人の特徴をまとめます。
これらの特徴はあくまで、これまでの経験から私が感じたものです。
向いていない特徴に当てはまったとしても、コンサルに転職するか悩んでいる場合は、コンサル経験者数人と話してみることをおすすめします。
気軽にコンサル経験者と話ができる方法として、転職エージェントの活用をおすすめします。
選考に進まなくても全く問題はないので、情報収集の目的で気軽に利用することが可能です。
転職エージェントを利用するメリットは以下のような点があります。
コンサル出身者が多く、コンサル転職に強みがあるおススメのエージェントをいくつか紹介します。