このようなタイトルの記事ですが、コンサルとして7年働いてきて転職を後悔したことは一度ありません。
ベストな選択だったなと思ってますし、おすすめできる職業です。
ただし後悔まではいかないものの、ネガティブな経験は多々ありました。
心身に不調をきたし、長くお休みをいただいたことがあります。しんどいことも多い仕事です。
このページでは、企業や転職エージェントからは語られないようなコンサルのリアルについて書きたいと思います。
コンサルへの転職を考えている方が入社後のマイナスなギャップが少しでもなくなるように、思いつく限りネガティブなこと書いていきたいと思いますので、参考になれば幸いです。
高ストレスな労働環境
コンサルは、プレッシャーや長時間労働から心身に大きな負荷がかかりやすい仕事です。
実際、他業界と比べてメンタル不調になりやすい要因が多いと言われています。
私の身近でも、メンタルを崩して休職するケースを何度も見てきました。
私が実際に感じ、経験した具体的な例を挙げていきます。
クライアントからの理不尽な対応(カスハラ)
コンサルタントというと、対等な立場でクライアントと協業するイメージがあるかもしれませんが、残念ながら「カスハラ」は意外とあります。私もこれまで何度か経験しました。
大声で怒鳴られたり、高圧的な態度を取られたり、見下すような発言をされたりというケースです。
こちらに多少のミスがあった場合もありますが、全く非がないのに理不尽な対応を受けることもあります。
もちろん、多くのクライアントは優秀で人格者ばかりで、対等なビジネスパートナーとして接してくれます。
しかし、中には理不尽な要求をする人や、クセツヨな人も一定数います。プロジェクト期間中だけの関わりとはいえ、こうした経験は精神的な負担になります。
あまりにひどい場合は、パートナーやマネージングディレクターを経由して申し入れをしたり、プロジェクトから外してもらうといった対応も可能ですので、過度に心配しすぎる必要はありません。
ストレス耐性が低めだと感じる人はクライアントフェーシングが苦痛に感じることが多々あるかもしれませんので注意が必要です。
職位が上がるほど責任と負荷が急増する
コンサルが忙しいというのはイメージ通りだと思いますが、マネージャー未満はそうでもなく、マネージャー以上になると責任と負荷はどんどん大きくなります。
マネージャー未満
まずマネージャー未満は一つのプロジェクトに集中できるため、そこまで大きな責任や負荷は感じにくいと思います。
しかし、マネージャーに近づくにつれて、特定の領域のリードを任されるようになり、クライアントとの議論を含めて自律的に動くことが求められるため、責任や負荷が増えていきます。
実際の残業時間がどのくらいだったかはこちらの記事を参照ください。
マネージャー以上
マネージャー以上になると、複数のプロジェクトや社内活動を兼務することが増え、業務負荷は一気に高まります。
特にシニアマネージャー以上になると日中はほぼ会議で埋まり、休憩もろくに取れない人もよく見かけます。
このような過酷な労働環境から、過労やストレスでメンタル不調になるケースは少なくありません。
執筆時点(2025年)でも、プロジェクトを3つ掛け持ちし、社内活動にも奔走していたマネージャーが、働きすぎで体調を崩して産業医面談で業務停止命令を受けた事例を見てきました。
近年は働き方改革で環境が改善されつつありますが、コンサル業界で長期的に働くことを考えているなら、こうした現実を知っておく必要があります。
キャリア形成に関する不満
SVとの相性が悪いと評価されない
たまに納得感のない評価を受けてしまうことがあります。
コンサルはプロジェクト毎に評価されます。年に複数のプロジェクトを経験すると、数回は新しいSVから評価を受けるようなこともあります。
業務の性質上、成果は定量的ではないので、評価項目は定性的なものです。評価者によってまちまちです。
自分では前のプロジェクトと同じくらい成果を出した感覚でも、評価者が変わればワンランク低くなるようなことも実際ありました。
社内事情や自分の評価によって、希望するプロジェクトに入れないことがある
自分の意志でキャリアを形成できる点に魅力を感じ、コンサルを志す方も多いと思います。
事業会社に比べてかなり自分の意思を反映できますが、希望するプロジェクトに入れるかどうかに関しては当然タイミングの問題もありますし、候補者複数人にインタビューして決定することがほとんどなので自分の実力や社内評価が重要になってきます。
常に自分が何をしたいのかを考え、希望する案件を専門とするパートナー・MDからの評価を高めておくような戦略的な働き方が必要になります。
滅多にありませんが、希望してアサインされたプロジェクトにいたある日、突然プロジェクトからリリースとなり別のプロジェクトに行ってほしいと指示をされたことがあります。組織の都合でやりたいことができなくなる時もあるので念頭に置いておく必要があります。
組織改編が頻繁にあり、意図しない組織に所属させられることがある
コンサルティングファームは、市場の変化に合わせて組織を柔軟に組み替えることが多いです。
そのため、自分が得意とする領域や、志向していた組織とは全く異なる部門に突然異動させられることがあります。
これは、キャリアプランに影響を与える可能性もあるため、注意が必要です。
モチベーション
プロジェクトの予算が少ないと、残業代がつかないことがある
本当はいけないことなんですが、昔は「残業は30時間までね」なんていわれることがありました。プロジェクト毎に予算が決まっていて、残業が増えると利益率が低下してしまうからです。
「なんでこんなに残業してるの?」と詰められることもあったので、評価に響かないよう、こそこそと残業をして遅れを取り戻すというようなことやっていました。
クライアントや社会に対して、どう役立っているのかわからない仕事がたまにある
コンサルの仕事は、必ずしも社会やクライアントに直接的なインパクトを与えるものばかりではありません。
時には、自分が関わっているプロジェクトがクライアントや社会にどんな価値をもたらしているのか、実感しにくい仕事にアサインされることもあります。
時間もかけて作り上げた資料が、クライアント側の都合で社内会議で一度も使われることなくお蔵入りになったりするケースです。
こうした経験はせっかくの努力が報われない虚しさを感じさせ、モチベーションを保つのが難しくなることがあります。
プロジェクトにアサインされている時は、好きな時に休みが取りづらい
プロジェクトは結構ギリギリの人数でまわしていることがほとんどです。プロジェクトにもよるんですが、基本的には体調不良以外では休みづらいと思っていた方がよいです。
プロジェクトリリース後はまとまって休みが取れるので、そこはメリットだと思います。