業務系のプロジェクトはどのようなプロジェクトか?
業務系のプロジェクトはどのような流れで進むのか?
本記事ではこのような疑問に対して、具体的に解説します。
業務系プロジェクトとは?
主に経営コンサルティング部門のコンサルが担当する案件です。
業務改革の構想や実行支援を行ったり、業務フローを構築するプロジェクトになります。
先端のデジタル技術を取り入れ、コスト削減や顧客体験の向上を目指す案件が多い印象です。
私はこれまで以下のようなテーマのプロジェクトを担当してきました。
業務系プロジェクトの特徴
次に、業務系プロジェクトの一般的な特徴をまとめます。
- 対象業務に関する知識が求められる
- ヒアリングを頻繁に行う
- 現場に常駐し、顧客と密なコミュニケーションを取る
対象業務に関する知識が求められる
業務系プロジェクトは、クライアントが日々行っている業務を対象にしたコンサルティングを行います。
コンサルが議論を進めていくクライアントの部署は業務を統括するコーポレート部門や現場の部署になりますので、業務経験の深い人と相対することになります。
したがって業務系のプロジェクトを行うコンサルタントは業務改革のスキルや先進事例の知識などに加え、対象業務の経験や知識がないとプロジェクトの遂行に支障をきたします。
ヒアリングを頻繁に行う
業務の全体像や課題点を明らかにするため、実際に業務を担うクライアントへヒアリングを行う必要が出てきます。
他社事例の調査においても、企業の業務に関する情報は公開されていないため、有識者にヒアリングを行うことがよくあります。
他のプロジェクトに比べてヒアリングが多く発生するので、ヒアリングやそのための準備に時間を多く割くことになります。
現場に常駐して顧客と密なコミュニケーションを取る
業務内容にフォーカスしたコンサルティングを行うため、クライアントと同じ場所に常駐する形で仕事をすることが多いです。
業務改革の実行フェーズも含めると、全体のプロジェクト期間は年単位の長期に亘ることもあるため、クライアントとコミュニケーションの頻度も必然的に増える特徴があります。
業務系プロジェクトの具体的な進め方
実際に私が経験した業務系プロジェクトの中で、業務改革プロジェクトにおける構想フェーズの支援事例をもとにプロジェクトの進め方を紹介します。
①アプローチの検討
クライアントがコンサルに依頼するのは、部分的な業務改善ではなく業務プロセス全体の抜本的な見直しです。
その際、既存業務の制約事項を排除して新しい業務プロセスを考えなければ、効果は限定的となりコンサルにわざわざ依頼する必要はありません。よってコンサルタントにはゼロベースで考える力が求められます。
ゼロから新たな業務を構築するにあたり、どういったインプット情報を活用し、どういったプロセスでプロジェクトを進めていくかをクライアントと議論して、プロジェクトアプローチを検討します。
②現行業務プロセスの調査
プロジェクトのアプローチが決まった後は、まずクライアントが現在どのような流れで業務を行っているかを明らかにします。
既存の業務マニュアルがない場合は、業務担当者にヒアリングを行って以下のような点を明らかにし、業務フローに落とし込んでいきます。
- 誰がどのような流れで業務を行っているのか
- それぞれの業務はどのようなインプットを活用してどのようなアウトプットを生み出しているのか
- どのようなシステムを活用して行っているのか
- それぞれの作業はどのくらいの工数(作業時間)がかかるか
③あるべき業務プロセスの定義
現行の業務プロセスの変更箇所を特定するため、鑑となるベストな業務プロセスを定義します。
私の経験上、以下のような情報を組み合わせたりして、あるべき業務プロセスを考えていくことが多いです。
・クライアントへのヒアリング結果で特定した課題(②のアウトプット)
・国内外の先進企業の事例
・エンドユーザーへの調査に基づく示唆(エンドユーザーへのヒアリングやアンケート)
・業務を設計する際に重視するポイント・原則(プロジェクト参加者全員でワークショップで議論)
④現行業務プロセスの診断(変更ポイントの特定)
②と③で定義した現行プロセスとあるべきプロセスを比較し、現行プロセスを評価します。
そのうえで現行プロセスの不足点・課題点を抽出し、変更ポイントを定義します。
⑤実行計画の作成
新たな業務プロセスの実現に必要な施策を、いつ・どの部署が・どういう順番で行う必要があるのかを具体的なスケジュールに落とし込んでいきます。
業務系プロジェクトの内容を調べる方法
業務系プロジェクトの内容はイメージできましたでしょうか?
より具体的なプロジェクトの内容を知るためには以下の方法をおススメします。
コンサルティング業界に関する書籍を読む
業務系プロジェクトに関して、説明がなされている書籍をいくつか紹介します。
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コンサル経験のある転職エージェントに聞いてみる
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