「未経験からコンサル転職は可能?」
「未経験から転職してコンサルの仕事をやっていけるだろうか?」
コンサル転職を考えている方の中には、このような疑問を感じることがあると思います。
本記事では実際に未経験からコンサルに転職した私自身の経験に基づいて、このような疑問に答えていきたいと思います。
未経験はコンサル転職で不利?
未経験だとコンサル転職で不利に働くのでしょうか?
結論、未経験だからといって転職が大きく不利になることはありません。
社会人経験が浅い場合、これまでの業務経験よりもポテンシャルが重視されるからです。
しかし、人数規模が小さいファームに関しては採用人数が限られていますので、経験者と競合した場合に不利に働くことはあると思います。
私の勤務先は未経験者も積極的に採用する方針のため、中途入社の9割以上は未経験からの転職者だと思います。
未経験者であっても転職自体はしっかりと対策を行えば通過できます。
参考に、コンサルに転職する前の私のバックグラウンドについてお伝えします。
かなり特殊な業務を行っていたため、コンサルに求められるスキルはほぼない状態でした。
- 前職の保険会社では、保険金請求事案の処理を担当
- 単調な作業を繰り返すだけで、ロジカルに考えることをそこまで要求されてこなかった
- チームプレイや、プロジェクト単位で臨機応変に動くような経験はゼロ
- PPT・Excelをほぼ業務で使用せず、SUM関数位しか使えないレベルのOffice音痴
- 前職で身についたスキルは、保険商品の知識と電話応対スキルくらい
コンサル転職後は未経験だときついのか?
では転職後はどうだったのか。
結論、コンサル特有の働き方にキャッチアップできていなかった転職直後はきつかったです。
アナリストの役職で入社し、右も左もわからない状況でプロジェクトにアサインされた後は、上司から指摘の嵐を受ける日々。
プロジェクトが炎上していたこともありますが、毎日のように遅くまで残業をするような日々が続いていました。
転職後に苦しんだポイント
私ほどコンサルスキルがない状態での転職は珍しいかもしれませんが、具体的に苦しんだポイントを解説します。
これまで一緒に仕事をした未経験中途コンサルタントも同様のポイントで苦しんでいたので、多くの人に当てはまるのではないかと思います。
- 成果物の品質と作業スピードが不足している
- プロジェクトにキャッチアップできない
- タスク設計・作業設計ができない
具体的に説明します。
①成果物の品質と作業スピードが不足している点
コンサルに求められる成果物の質と作業スピードは事業会社より圧倒的に高いです。
コンサルの時間単価はとても高く、アナリスト・コンサルタントクラスで10~15万円/日をクライアントに請求します。成果物のクオリティはその分高くなくてはならないですし、同じ品質でも素早く完了させることが求められます。
未経験の場合、このコンサルに求められる水準とのギャップに苦しむことになります。
未経験者はたいていベーシックなスキルであるロジカルシンキングと資料作成スキルが不足しているので、論点を構造化して考えることに苦戦しますし、上司のイメージに沿って資料に落とし込むことができません。
結果、資料作成がなかなか終わらず、残業して作業時間を捻出せざるを得ない状態になります。
②プロジェクトにキャッチアップできない
プロジェクトにアサイン後は、プロジェクト背景やこれまでの経過をキャッチアップしなければなりません。
経験したことのないプロジェクトテーマだと、前提知識をゼロからインプットする必要があります。
コンサル未経験だとこのプロジェクトへのキャッチアップに苦労します。
なぜならプロジェクトがどのように進むかイメージがありませんし、何をどう勉強したらよいかも手探りの状態だからです。
そして、キャッチアップができないとどうなるか。
わかりやすい事象は、会議の内容がよく理解できないということです。
私の場合、最初のプロジェクトはシステム寄りの案件だったため、専門用語が全く分からず、正直同じ言語を話しているのか?と感じるくらい内容が理解ができませんでした。
会議の内容が理解できないと議事録が書けませんし、会議で発生したタスクにすぐに着手することができず苦しい状況に陥ります。
③タスク設計・作業設計ができない点
上司から与えられた作業には必ず締め切り(Due)が存在します。
作業を受け取ったら、作業設計をして上司とのタッチポイント(資料のレビュー)を設定する必要があります。
作業設計とは、与えられたタスクをDueまでに確実に終わらせるため、どのような作業ステップが必要で、どれくらいの時間がかかるのか、何回上司のレビューを必要とするのかということを事前に見積もることです。
これができないと適切にタスクを進めることができず、残業時間がどんどん増えたり、上司に作業を巻き取られてしまうこともあります。
未経験からのコンサル転職で気をつけるべき点
ここまで転職後に苦労した経験をお伝えしましたが、スキルが足りていないことは当然であり、転職した段階で完璧にできていなくても問題はないです。
上司からのフィードバックに向き合って日々の業務を繰り返していけば自然と実力はついていきます。
では転職の段階でコンサル未経験者が気を付けるべきことはどういった点なのでしょうか。
役職毎に求められるレベルを理解して、余裕を持ったポジションで入社する
転職の段階で大切だと感じることは、自分の役職に求められる役割・能力を理解しておくことです。
この点が理解できていないと、いつまでも上司の期待値と現状とのギャップを埋めることはできません。加えて、自分の実力に見合った役職で入社できず苦しい状況が長引く可能性も出てきます。
役職毎にどのような役割と能力が求められるのか、未経験での転職者が多いアナリスト、コンサルタント、マネージャークラスでまとめています。
アナリスト | コンサルタント | マネージャー | ||
主な役割 | 作業担当者として、SVの指示に基づいて与えられたタスクをこなす | 作業責任者として、プロジェクトを推進 アナリストのレビューを行う | プロジェクト責任者として、プロジェクトの監督とクライアント折衝 | |
能力 詳細 | プロジェクト | SVの指示に基づいて与えられたタスクを着実にこなす | 担当領域のリーダーとして、自ら自走してプロジェクトを推進できる | プロジェクトのスコープ、アウトプット、タスク設計を主導する |
ベース スキル | コンサルのベーススキルを最低限身に着けている ・論点整理、ロジカルシンキング | コンサルのベーススキルを身に着けており、プロジェクトに適用できる(項目はアナリストと同様) | 同左 | |
クライアント 対応 | 担当者クラスと議論を推進 | 課長~次長クラスと議論を推進 | 部長~役員クラスと議論を推進 | |
チーム マネジメント | ー | チームメンバー2,3人を監督 | チームメンバー5 人程度を監督 | |
営業活動 | ー | ー | 営業活動に積極的に関与 |
マネージャーともなれば、プロジェクトのリードを任されることになります。
コンサルのベーシックなスキルが身に付いていることは前提で、スタッフクラスのメンバーの成果物をレビューしないといけません。さらに営業活動も評価項目に入るので、新規の案件を取ってくる能力も求められます。
コンサル未経験者の場合、よほど自信がない限りはマネージャーポジションでの入社を提案されたとしても、1,2年の経験をしてからマネージャーになることをおすすめします。
経験豊富な転職エージェントを活用する
転職時の不安を解消し、転職後のキャリアを成功させるため、コンサル転職においては経験豊富なコンサル専門の転職エージェントの活用を推奨します。
コンサル出身者が多く、コンサル転職に特化したエージェントをいくつか紹介します。